ヘッジファンドは富裕層限定の私募形式のものが多く、情報が公開されておらず、「怪しげなハイリスク・ハイリターンの金融商品」というイメージをお持ち方もいらっしゃるのでは?とはいえ、高収益があがっているファンドがあるのも事実で、国内投資よりずっと高い海外のヘッジファンドの利回りは魅力的です。
ヘッジファンドは、元々は機関投資家や富裕層向けで投資単位も高額でしたが、近頃では5万ドル(5百万円前後)と小口化され、一般投資家にも身近なものになりつつあります。
ただ、●投資してみたいがどうすれば投資できるかわからない、●ファンドの種類が多すぎて選べない、●ファンドの内容がわかりにくい、●ハイリスクなら投資したくないなどヘッジファンド投資への敷居は高いようです。
世界中で9,000とも言われるヘッジファンドには、満期償還時元本確保型ファンドという商品があります。
たとえば、当初投資額5万ドルを、海外の高格付け金融機関(S&P格付けでAAなど)が満期償還時に元本(外貨建て)の償還を保証するという仕組みです。万が一運用が失敗しても、(その金融機関が倒産し、預けてある高格付け債券(米国債など)が無価値にならない限り)満期時には最低限元本が戻ってくるというファンドです。
「初めてのヘッジファンド投資」では、安心感もあるこうした満期償還時元本確保型ファンドから始めるのもポイント!
一般的な満期償還時元本確保の仕組みは、ファンドの募集終了後、ファンドが元本の償還保証銀行に出資金の約60~70%程度を預け、保証銀行は元本の償還保証資金確保のため、米国債などの高格付け債券や保証銀行の高格付け債券(割引債やゼロ・クーポン債)を購入し、満期時にはこれら預け金が100%になることで、満期時の元本の償還ができます。
また、残りの30~40%の資金(+借入金)で、金融・商品先物市場など幅広いマーケットで非常に積極的な運用を行い、高いリターンを追求します。
また、満期償還時元本確保型ファンドの中には「ロックイン機能」といって、満期時の償還保証金額(=元本)が少しずつ増える特約が付加されているファンドがあります。
投資開始直後は満期償還時に「当初元本」の償還が保証されていますが、毎年運用益があがるにつれて、一定条件のもとに毎年の運用益の一部が保証元本に上乗せされ、たとえば「当初元本の1.2倍」などが満期時に確保されるといった仕組みです。
万一運用が失敗した場合の満期時の償還額とはいえ、当初元本より大きい金額の償還が確保される余地がある点は、投資家からみればより大きな安心感・安全性につながりましょう。
「元本確保」は、元本保証とは異なります。その違いについてご案内しましょう。
1,000万円までの預金は、万が一金融機関が破たんしても預金保険機構がその元金と利息を保証してくれます。いついかなる時でも、この元本割れが起こらない状態をいいます。もちろん、途中で引き出しても元本は全額戻ってきます。
特定の金融機関が、●満期償還時に、●当初元本(=投資金額)を保証する仕組みです。自己都合となる中途解約ではその時点でのファンドの時価(=NAV)での返金となるため、運用成績次第では元本割れの可能性も生じます。
つまり、元本確保のポイントは「保証を担う金融機関(銀行)の信頼性」次第と言うことになります。
ヘッジファンドは10年前後という中長期の運用期間がメインであり、将来の満期時点まで倒産せずに銀行業務が継続されるだろう経営基盤のしっかりした金融機関かどうかをチェックしておきたいものです。
たとえば、保証銀行が(S&P格付けなら)AA格付け以上かどうかが安心のためのチェックポイントとなりましょう。参考までに、三菱東京UFJ銀行は'A+格付け(2008年7月7日現在)'で、AA格付けはこれを超える上位格付けとなります。
元本確保型ファンドの魅力は、満期償還時に、最低限、投資元本が保証されているという点にあり、特に預貯金などでの運用に慣れた方々には安心感を与えることになります。
一方で、投資家から集めた資金のうち60~70%は元本確保のために国債などで運用されるため、ヘッジファンド本来の運用に回す資金が一般ファンドより少ない、つまり運用益が出しにくいというのがデメリットといえます。
とはいえ、元本確保型ファンドといっても本来の運用に回す資金が30~40%では魅力的な成果は期待できません。そこでしっかりした元本確保型ファンドでは、ファンド運用会社の信用で借入れをして、その資金プラス自己資金(30~40%)で運用を図り、元本確保型でないファンドに近い運用成果をあげられる仕組みとしています。もちろん、仮にこの借入れを含めた運用が失敗したとしても投資家は満期償還時まで待てば最低でも投資元本(外貨建て)の回収が図れ、安心です。
ヘッジファンドの資金は、世界中の原油、小麦、金などの商品(コモディティ)、為替、インデックス、金利、国公債などの先物市場といった幅広いマーケットを中心に運用されています。分散投資という手法ですが、株式や債券などによる運用に比較すると市場の動きとの相関関係がとてもわかりにくいものです。
運用の主体となるのは運用会社が抱える多くの運用システムです。運用会社は常に運用マネージャー(委託会社)ごとの収益力を監視し、資金を運用能力の高い運用マネージャーに任せるようコントロールしています。
下記は1998年に運用をスタートして満期償還を迎えた、ある満期償還時元本確保型ヘッジファンドの運用実績です。

通常、運用開始後一定期間は解約手数料がかかり、解約時の時価の1-4%程度の負担となります。
解約のタイミングは1ヵ月に1度で、それも解約基準日の15営業日程度前までに解約申し出書面が運用会社に届いている必要があることが多く、解約申し出から入金されるまでは最低でも2ヵ月程度はみておいた方が良いでしょう。
結果として、1週間以内などの急な資金ニーズでの換金には不向きです。また、運用が軌道に乗り始めるには若干時間を要するケースもあるため、中途解約を前提とした短期運用もお勧めできません。。