2015年以降から実施される相続税大改正をご案内します。相続税大改正の中身は?

贈与税改正のポイント

最高税率は50%から55%へ引上げ

最高税率が55%へ引き上げになり、3,000万円超(基礎控除後)の贈与で税負担があがります。
ただし、税率区分が増えるため600万円超1,500万円以下の贈与については減税となります。

贈与税の最高税率も55%へ

20歳以上の子などが直系尊属(両親、祖父母など)から贈与を受けた場合の税率を緩和

2015年以降は、20歳以上の子や孫が親、祖父母から贈与を受けると税率が低くなり、200万円(基礎控除後)を超える贈与では有利になります。
また、配偶者や未成年者への贈与では、一般贈与の税率を使うこととなります。

3つの贈与制度

恒久的な贈与制度一覧

孫への教育資金贈与の仕組み(2015年末までの限定制度)

子、孫、ひ孫へ非課税で1人当たり最高1,500万円を贈与できる制度で、利用できる期間は2015年12月31日までの2年9ヵ月間です。
子や孫は30歳までに使い切れなかった金額だけが、贈与税の対象となります。

  • 第1のメリット 1日で大型贈与ができる!

    孫4人に1,500万円ずつ贈与すると、わずか一日で総額6,000万円の相続財産を減らす効果が得られます。高齢者や病気を抱えている富裕層にとっては、大型贈与が一日でできてしまうメリットは大きいでしょう。

  • 第2のメリット 3年以内の生前贈与加算の対象外に!

    相続人への生前贈与では、相続発生の前3年以内の贈与は相続財産に取り込んで相続税を計算されてしまいますが、教育資金の贈与なら”生前贈与加算”の対象にならない点は大きなメリットの一つです。
    子や孫養子に贈与したあとすぐに贈与者(両親、祖父母など)が亡くなっても、(3年以内の)生前贈与加算の対象にならず、安心です。
    祖父母が病で重篤であっても、意識がしっかりしており、贈与できるなら、この教育資金の贈与は相続対策として大いに有効です。

  • 第3のメリット 暦年贈与とのセットで利用可能!

    贈与税の基礎控除(110万円)を用いた暦年贈与とこの教育資金の贈与をセットで利用できるのも魅力です。信託銀行へ1,500万円送金し、同時に孫本人の口座へ110万円すれば、合計1,610万円を非課税で贈与できるというわけです。

なお、孫の教育資金を必要な都度負担される場合でも贈与税は元々かかりません。この制度を活用されるか否かは、ご自身の状況との兼ね合いで判断されることをお勧めします。

孫への教育資金贈与の仕組み

生前贈与での相続対策は計画的に!

生前贈与は相続税を減らす効果が得られるため、実行されている方も多いのではないでしょうか。といっても、”安易な贈与”には注意が必要です。
現金贈与ひとつとっても、名義借りとして相続財産と認定されないよう注意しなければなりません。”暦年贈与”を使うか”相続時精算課税制度”を使うか、何を贈与するのかなどさまざまなポイントを先に整理したうえで、実行することも大切です。

生前贈与する際の実施ポイントは、次の4つです。

  • 必ず証拠を残す!

    贈与証書や送金の事実を書類などで確認できるようにしておくことが重要です。

  • ”あげた”をはっきりと!

    あげたつもりの贈与は余計なトラブルのもと。実際に、あげた相手(配偶者、子、孫など)がもらった事実を認識していることが重要です。

  • 贈与に向いた財産の贈与!

    贈与後に価値が下がる財産は生前贈与に向いているといえません。そのまま持っていれば相続時には財産評価が下がっているためです。
    といっても、不動産や自社株などを特定の相手(後継者など)に引継がせるため、贈与税負担をしても積極的に贈与するケースもあります。

  • 忘れてならぬ”こころの贈与!”

    特に、子や孫などへの贈与の目的はといえば、お金をプレゼントすることではありません。可愛い子や孫への愛情の表現のひとつのやり方として「お金を付ける!」方法をとっているのでは。それなら、お金の価値を理解できる年齢や自分の力でお金を稼ぐようになり、そのありがたみを知るタイミングで最終的に「価値を増殖」して渡せれば、愛情をプレゼントすることになります。
    つまり、贈与資金の受け皿も用意しておくことも大切な点となります。もちろん、安全性の確認などにも配慮が必要です。