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あんしん経営

何かと問題の多いアパートの「サブリース」その対策は?

2018年5月9日

 人口減少社会となったニッポンでは、全国で800万戸を超える空き家問題や東京五輪後の需要減の見通しなどから、不動産賃貸事業を取り巻く環境が厳しさを増しています。そうした中、相続対策と称してアパート・マンションが新築され、賃貸マーケットに登場し続けているのはなぜなのでしょうか。
 今号では、アパート・マンションなどの不動産賃貸で話題の「サブリース」について考えてみましょう。

不動産の「サブリース」ってナニ?

◆「サブリース」とは?
 多くの場合、アパート建設などを請け負った建設・不動産会社(以下、「不動産業者」)ないしその関連会社がオーナーに一定の家賃支払いを約束し、一括してアパートを賃借したうえで、第三者に賃貸することを「サブリース」といいます。
 オーナーの”悩みの種”の空室や滞納問題を”一括借上げ”で解消したうえ、”家賃保証”の形で安定収入を確保し、不動産の管理までお任せで済む、オーナーには大変ありがたいシステムにみえる仕組みです。

◆ 相続税対策効果に着目して積極攻勢に!
 2015年の相続税大増税とこのところの土地路線価の上昇で、不動産オーナー(とその相続人)には土地を持っているだけで多額の相続税がかかり、イザ相続というときには土地売却を迫られかねない状況が。そこで、不動産業界では大きな節税効果を得られる相続対策として、土地オーナーに不動産業者の提携先銀行から低利の借入れをし、アパートなどを建設・賃貸する提案を積極的に行っています。
 遊休地にアパートなどを建てて賃貸すると、相続時に土地は”貸家建付地”としておおむね2割程度評価額が下がり、建物は”貸家”評価とされて、ざっと建設コストの4~5割程度の評価(注)まで下げられます。一方、建設資金の借入金は残高が差し引けるので、更地評価と比べると大きな節税効果が得られるわけです。
(注)建物の固定資産税評価額(建設コストの60~70%)から貸家として3割の評価減を得られます。

◆ 最近は特にトラブルが目立つ?
 夢のようにも思える「サブリース」ですが、以前から多くのトラブルや訴訟提起もあり、最近ではシェアハウスのサブリースを巡る報道が目立っています。良かれと思ってサブリース契約を結んでも、数年後には契約内容を反故(ほご)にして、一括借上げ家賃の減額を要求されるといった事態が多いようです。

「サブリース」の問題点とは!?

 代表的なトラブルの原因となる点をご紹介しましょう。
◆ 家賃保証は永遠ではない!
 「サブリース」での家賃保証は5年や10年といった期間(有期)の契約が多く、中には超長期の保証を謳うケースまであります。ところが一般的なサブリース契約では、「経済事情の変動により賃料が不相当」、「近隣同種の建物の賃料と比べて不相当」などとなった場合は”賃料の見直しが可能”とされています。
 問題はこの点を提案時に十分説明していない不動産業者がいて、保証期間経過後や保証期間内であっても賃料の減額請求をされトラブルに発展するケースが多いようです。

◆ 突然の契約解除も!
 オーナーからアパートなどの一括借上げをする以上、不動産業者も賃貸収支は気になるわけです。採算が合わなければ撤退を考えるのも当然です。そこで効いてくるのが「不動産業者側からの中途解約が可能」といった契約条項なのです。
 特に「建築提案(提携)型サブリース(注)」ではアパート建築の時点で利益を確保し、賃貸事業にはそれほど重きを置かず、募集もおざなりといった業者も少なからずいるとか。相手はその道のプロ!逃げ足も速いと肝に銘じておきましょう。
(注)オーナー所有地上にアパートを新築し、サブリースする手法です。
   既存のアパートなどを購入し、サブリースするケースは「購入勧誘型サブリース」といいます。

「サブリース」のリスクを回避する方法は!

● 賃貸ニーズのある地域や物件か?
 人口減少が大きな潜在的リスクの不動産賃貸事業で最も注意すべきは、その所有地が常時借り手の存在する地域にあるか否か、新築するアパートなどが入居者ニーズに合致するか否かなど、アパート経営が成り立つものであるかどうかという点です。アパートを建てても空室だらけでは取り返しがつきません。
● 契約書の内容はしっかり確認!
 難しい言い回しと専門用語が多く使われている契約書の内容は、素人にはわかりにくいものです。それでも後日に後悔しないためにも、わからなければ納得いくまで質問し、理解したうえで契約に臨みましょう。
【参 考】
 国土交通省では2020年4月施行予定の民法改正法に向けて賃料の改定時期等の明確化、サブリース業者から契約を解約できない期間の設定、賃貸不動産経営管理士等の記名押印欄の追加、転貸の条件項目への民泊の可否に関する事項の追加などの改定を行い、「サブリース住宅原賃貸借標準契約書平成30年3月版」を公表しています。参考にされてはいかがでしょう。
「サブリース住宅原賃貸借標準契約書平成30年3月版」ココをクリック
「平成24年度版との新旧対照表」ココをクリック
● 不動産業者の評判は?
 一括借上げしてくれる不動産業者が倒産すれば、オーナーは大きな被害を被りかねません。また、一方的な解約などで訴訟を抱えている不動産業者には安心して大切な財産を任せる気にはなりません。
 営業マンが親切だったなど本筋と関係ないことで提案を受け入れがちですが、不動産業者選びは専門家を交えて相手の財務状況の分析や評判の確認は行いたいものです。

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