感動相続

文字サイズ大中小

充実ライフ!

家族が認知症と診断されたらどうすれば?

2018年9月5日

 「預金口座やクレジットカードの暗証番号、ネットショッピングのIDにパスワード、自宅のカギ…」などを忘れぬようにメモしておいたが、そのメモをなくした、置いた場所を忘れてしまった。誰もがこんな不安や経験をお持ちのようです。
 長寿社会の中で安心してシルバーライフをお過ごしいただくため、「家族が認知症と診断されたらどうすれば?」をテーマに、高齢者などの”財産管理の代行の法的な仕組み”をシリーズでご案内してまいります。

実は意外に大切!法的な財産管理の代行制度

◆ 法的な代行制度は”成年後見制度”だ!
 「認知症などで判断能力がなくなった方」や「高齢で判断力が鈍くなってきた方」の代わりに、”後見人”が「預金の引き出し」や「不動産の売買契約」「ヘルパー」などの契約行為を行う仕組みが”成年後見制度”です。最高裁の統計では、2017年中の成年後見申立件数(下図参照)は3万5,737件(前年比4.3%増)と、初めて3万5千件を超えました。

◆ 成年後見制度の利用方法
 成年後見制度は、つぎのステップで進みます。
 【ステップ1】申し立て   本人・配偶者・4親等内の親族等が家庭裁判所へ制度の利用を申し立て
 【ステップ2】後見人の選任 家庭裁判所が審判し、成年後見人を選任
 【ステップ3】後見開始   成年後見がスタート
 申立人中、最も多いのが子(27.2%)、ついで市区町村長(19.8%)、本人(14.2%)と続いています。行政長の申立件数が増加している背景には、身寄りのない方々の高齢化や障害者の地域移行が進んでいるからでしょうか。また本人からの申立では、セールスマンからの営業を断りきれないなど、ご自身で不安を感じて申し立てをされる方もおいでのようです。
 申立ての動機は、「預貯金の管理、解約(約8割)」が断然多く、つぎに被後見人の施設入所や契約、治療や入院手続きといった「身上監護」が続いています。

後見人には誰が?

 成年後見人には、全体の26.2%(前年28.1%)で親族(子、その他親族、兄弟姉妹、配偶者、親の順)が選任されています。近しい関係で信頼や安心感があるためといえましょう。とはいえ、年々親族による成年後見人は減少傾向で、つぎのように専門家に任せるケースが増えています。
 親族以外の第三者が成年後見人に選任されたケースは全体の73.8%(前年71.9%)でした。つまり、4人に3人は他人が後見人で、内訳はざっとつぎのとおりです。
 ● 司 法 書 士  9,982件(前年9,415件)   6.0%増
 ● 弁 護 士  7,967件(前年8,050件) ▲ 1.1%減
 ● 社会福祉士  4,412件(前年3,995件)  10.4%増
 子のいない夫婦や未婚高齢者の増加で、親族以外が成年後見人になる割合はさらに高まることが予想されます。

成年後見制度にも問題が?

◆ 救いようがない成年後見人の犯罪
 成年後見人の司法書士、弁護士、ケアマネージャーなどが、被後見人の預金を勝手に引き出すのは「業務上横領」という犯罪になります。また、後見人の長男(子)が父親の預金を勝手に引き出して私用に使ってしまう事件も後を絶ちません。
 成年後見人の監督者の家庭裁判所は報告書を年に1回チェックするだけで、目が行き届かないのが実態です。本人のモラルに頼るだけでなく、犯罪抑止効果のある仕組みへの見直しが必要です。

◆ 手続きにかかる時間
 成年後見制度は、申立てから後見スタートまでに時間がかかるのも欠点のひとつ。2017年は全体の約8割が家裁での審理を2ヵ月以内に終えているものの、残りはそれ以上の日数を要しています。預金の引き出しや介護契約ができない状況などでお困りの家族にとっては、後見開始までに時間がかかることが問題で、後見人選定日数の短縮が望まれます。

 次回以降では、「体が不自由で財産管理を頼みたい方」や「元気なうちに後見人を決めておきたい方」向けの仕組みをご案内していきます。

関連キーワード: 成年後見 | 認知症 | 介護 | 富裕層 | 老後生活 | 後見人
お問い合わせは
「英和コンサルティング株式会社/英和税理士法人」まで
無料相談受付中 相続のことならお任せ 03-3491-3811(代) 営業時間/9:00~17:30 定休日/土、日、祝日
メールフォームでのお問い合わせホームページはこちら
おすすめ記事
よく読まれている記事
PAGE TOP