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認知症になる前の”転ばぬ先の杖”=「任意後見制度」

2018年9月19日

 今号は、「家族が認知症と診断されたら!?」シリーズの第2弾です。「頭がしっかりしているうちの準備」と「頭は元気でも、体が不自由なときの方策」をご紹介いたします。

頭がしっかりしているうちの準備「任意後見制度」

 前号の「成年後見制度」は、”本人の判断能力に問題が発生してから”しか利用できません。ほとんどが家族による申し立てで、後見人も家庭裁判所が指定するために、家族が後見人になれるかも定かではありません。
 後見人を「長男に頼みたい」「家族には適任者がいないが、永年付き合いのある弁護士にお願いしたい」など依頼したい方が決まっているなら、「任意後見制度」を使ってあらかじめ後見人を指定しておけば安心です。
◆ 任意後見制度の活用ステップ
 任意後見制度はご本人の頭がしっかりしている間の活用に適した制度です。判断能力に問題が生じて初めて効力が発生して、後見人が財産管理を代行してくれる仕組みで、具体的にはつぎのような手続きとなります。
【ステップ1】任意後見契約を公正証書で作成(公証役場で作成し、保管)
【ステップ2】判断能力に問題が発生したら、家族などが家庭裁判所に「任意後見監督人選任」を申し立て

【ステップ3】任意後見監督人が決まったら、後見がスタート
       任意後見人は、任意後見監督人に年一度は財務書類などの報告義務があります。

◆ 任意後見制度の利用状況
 任意後見制度はまだまだ利用者が少なく、2017年は804件(下図参照)でした。認知症などの症状が出なければ任意後見が始まらずに終わってしまうケースもあり、任意後見契約書の作成数なども未発表で、いまひとつ実態がみえてきません。

「任意後見制度」のメリットと問題点

◆ 任意後見制度のメリット
 任意後見の契約時に、暗証番号など実際の財産管理に必要なデータをあらかじめ後見人(になる予定の方)へ伝える点は、成年後見制度との大きな違いといえます。預金口座、不動産、有価証券がどこにどれだけあり、預金の引き出しや解約に必要となる印鑑や暗証番号などの情報を契約時に整理して任意後見人(予定者)に伝えるため、実際の後見開始時には比較的スムーズにスタートできるメリットがあります。

◆ 任意後見制度での問題点
 「任意後見制度」に絡む犯罪の典型例は、”任意後見制度をあえて活用しない”というやり方です。
 家族や後見人予定者が、本人の判断能力が低下しているのを知っていながら、後見契約をスタートさせず(家庭裁判所に申し出をしない)、誰からも監視されることなく、すでに判断能力が不十分となっている本人を言いくるめて、不適切な契約や財産処分を行って不当な利益を得るという事例です。
 任意後見人(予定者)は契約をした以上、「本人の判断能力に問題が生じていないかどうかを定期的に確認する義務がある」のです。

今すぐ誰かに頼みたいなら「財産管理委任契約」を!

 「身体が不自由なので、代わりに銀行でお金を引き出してほしい」「今は大丈夫だが、体力がなくなってきたので、契約に立ち会ってほしい」といったケースは、どうすればよいでしょうか?
 家族の誰かに依頼する、信頼する第三者に依頼するといった場合、「財産管理委任契約」を締結する方法があります。契約があれば、銀行や証券会社などでの手続きでいちいち面倒な委任状を必要とせず、スムーズに処理できます。
◆ 任意後見制度との違い
● 契約形態
 「財産管理委任契約」では公正証書は作らず、一般の契約書を締結します。このため社会的な信用度は「任意後見制度」ほど高くありません。
● 契約スタート時期
 任意後見契約は「将来、ご本人が認知状態になったときの財産管理や介護などを依頼する契約」ですが、「財産管理委任契約」は契約と同時にスタートできます。「今困っている方」向けの制度といえましょう。
● 監督人の不在
 任意後見契約では、”任意後見監督人”が任意後見人を監督しますが、財産管理委任契約では監督人は(まだ頭が元気な)ご本人になります。財産のすべてを任せてしまいかねないため、よほど信頼できる相手でないとリスクはかなり高いと考える必要があります。

◆ 契約は任意後見制度とセットで!
 「財産管理委任契約」を使うなら、判断能力に問題が出た時に備えて任意後見契約も締結しておきましょう。同じ方に財産管理を依頼しておけば、通常は、判断能力如何に関わらず一生その方にお願いできます。
 なお、「財産管理委任契約」は一般の契約書を取り交わすことになりますが、財産管理を依頼する重要な契約のため、必ず専門家と相談して作成しましょう。

 第3弾では、「任意後見制度」や「財産管理委任契約」のような効果+遺言書の代わりにもなる「民事信託」の仕組みをご案内いたします。

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