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相続&贈与

遺言書に悪さをすれば「相続権剥奪も!」

2017年8月30日

 最近は、高齢者の方々の相続についての意識の高まりのためか、遺言書を作成される方が増えています。相続の際、遺言書があれば相続人の間で比較的スムーズに遺産分割が行われますが、遺言の内容次第では不利益を被る相続人が出ることも想定され、トラブルに発展するケースも。
 たとえば、不利益を被った相続人が感情的になり、「●遺言書を奪って燃やした、●シュレッダーで細断してしまった、●自分に有利な遺言書を偽造(ねつ造)した」ケースも見受けられますので、今号では遺言書の不適切な取扱いが遺産相続に与える影響についてご案内しましょう。

悪いことをすれば相続権を失う!

 遺産を相続する権利のある人を”法定相続人”と言いますが、民法では”法定相続人”でも悪いことをすれば「相続権を失う」という重い規定があります。これを「相続欠格」といい、相続欠格になる行為を「欠格事由」(民法第891条)といいます。
◆ 欠格事由とは?
 つぎのようなケースが欠格事由にあたります。
● 殺人などのケース
 被相続人(亡くなった方)や自分よりも相続の順位が上か同順位の相続人を故意に殺し、あるいは殺そうとして刑に処せられたケース
● 告訴、告発しなかったケース
 被相続人が殺害されたことを知っていながら、告訴や告発をしなかったケース
● 脅迫などして遺言書を書かせたケース
 詐欺や脅迫により遺言書を書かせたり、遺言書の取り消しや変更をさせた場合や、逆に取り消しや変更を妨げたケース
● 被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄、隠蔽したケース
 被相続人の遺言書を「偽造(ねつ造)」すれば相続欠格にあたるため、民法により、相続権が剥奪されてしまうことに。また、見つけた遺言書を燃やしたり、隠蔽する(=隠す)ことも同様に扱われますので、不本意な遺言が予想されることがあっても、欠格事由になるようなことはされぬよう、気をつけましょう。

◆ 「相続欠格」になると相続権はどうなる?
 「相続欠格」で相続権が剥奪されると、残された法定相続人だけで遺産を分けるものと思われがちです。実はそうとも限りません。相続欠格者に子どもがいれば、その子どもが親の代わりに相続人となれる「代襲相続」となるケースも。
 一般的に「代襲相続」は相続人となる人が被相続人よりも先に死亡している場合に発生する仕組みですが、「相続欠格」で相続権を剥奪された人についても、同じように代襲相続が発生します。

よくある偽造(ねつ造)の手口は?

 遺言書の偽造(ねつ造)には、代表的な例としてつぎのような2つのケースが考えられます。そんなケースに遭遇した際のポイントをご紹介しましょう。
◆ 被相続人になりすまして遺言書を偽造(ねつ造)
 遺言書を偽造する以上公正証書にはできませんので、自筆証書遺言を作成した形を装うこととなります。
● 偽造の暴き方
 自筆の遺言書は家庭裁判所による「検認」を受けねばなりません。その際、担当官は「遺言者が書いた遺言以外の手紙や申請書に書かれた名前などの筆跡と、遺言書に書かれた筆跡を比較して同じ人物が書いたかどうか」を判定します。偽造された遺言書はこの段階で多くは発覚するようです。
● もし検認されてしまったら
 まず、民間の筆跡鑑定事務所などで筆跡鑑定等をしてもらい、遺言書が他人が書いたものであることを証明してもらいましょう。つぎに、遺言無効確認の調停(申請)や訴え(裁判)をすることになります。いずれにせよ、長期戦を覚悟する必要がありそうです。

◆ 判断能力のない被相続人を言いくるめて、本人の筆跡で遺言書を書かせる
 最近では、認知症などになってしまった親御さんをうまく言いくるめて、自分に有利なように本人に遺言を書かせる手口が増えているもようです。

● 偽造の暴き方
 認知症といっても症状は様々で、軽度の認知症のケースでは「たまたま遺言書を書いた時には正常な判断ができていた」といったこともよくあるとか。実際問題として、本当に本人の意思で遺言が作成されたかを、外部で判定することはとても難しいといえます。たとえ医師の診断書があっても、それだけで遺言書の有効・無効を判断できるものではないからです。
● 公正証書遺言でも、争われるケースまで
 最近では公正証書遺言でも、「明らかに認知症の人の遺言では」として争われるケースもあるようです。遺言が偽造であるかどうかは、ありとあらゆる事情を総合的に判定して決定されることになります。

 生前にご本人自らが遺産分けについて相続人に説明し、その分け方の理由も伝えて理解を得られていれば、こうした不正が起きることはないでしょうが、万が一、遺言書に不審な点があったなら弁護士などの専門家へ早急に相談されることをおススメします。

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