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相続&贈与

親の面倒をみても、寄与分はなかなか報われない?

2017年9月13日

 相続人の間で遺産分割がまとまらずに“争族(=相続争い)”となってしまう原因のひとつに「寄与分」を巡る争いがあります。「寄与分」は、相続人が相続財産の増加や維持に特別に貢献していたときに、その寄与度に応じて相続人の相続分を増やすことをいいます。感情的になりがちな寄与分について、認められるケースや対象者、寄与分の主張をする代わりにとれる対策などをご紹介しましょう。

寄与分は誰にでも認められるの?

◆ 寄与分の対象者は法定相続人だけ!
 「相続人である娘が介護していた、息子が無給で(個人)事業を手伝っていた」などのケースでは寄与分が認められますが、献身的に介護していた友人や知人、無給で事業を手伝っていた会社の部下(=相続人以外の方)には寄与分がありません。

◆ 相続人の配偶者(例:妻)だったら?
 相続人の配偶者は相続人ではないので、基本的には寄与分が認められません。とはいえ、長男の妻などが長年献身的に被相続人を介護してきたケースなども多く、このようなケースでは長男の妻の寄与分を長男の寄与分とすることが認められています。

◆ どのような行為が寄与分になるの!?
 寄与分にはつぎのような類型があり、具体的な行為の内容も決められています。
・「事業従事型」・・・被相続人の事業を手伝ったなど
・「財産出資型」・・・被相続人の借金の肩代わりをしたなど
・「療養看護型」・・・被相続人の看(介)護を献身的に行ったなど
・「扶 養 型」・・・被相続人の生活の援助を行ったなど
・「財産管理型」・・・被相続人が保有する財産の管理をし、財産の増加や維持に貢献したなど

寄与分が認められるには高いハードルが!

 寄与分は法定相続人の全員が合意すれば認められますが、合意できなければ家庭裁判所の審判を仰ぐことになります。この場合は法的に厳格に判断されるため、つぎの3点に合致している必要があります。

● 特別の寄与であること
 妻(夫)が夫(妻)の面倒を看るのは夫婦間の協力・扶助義務からすればある程度当然ですし、子が年老いた親の面倒を看るのも扶養義務としてやはり一定の範囲までは当たり前で、それだけでは寄与にはあたらないとされています。といっても、被相続人(亡くなった方)の介護に専念するために仕事を辞めたケースなどは寄与分が認められる可能性が高いとか。
● 相続財産の維持や増加と相当の因果関係があること
 相続人がどんなに特別な貢献を主張しても、それが被相続人の財産の維持や増加につながっていなければ寄与分とは認められません。例えば、「親の介護の世話をして、心身ともに親の大きな支えとなり、親もそれに喜び感謝していた」としても、その貢献が親の財産の維持や増加につながっていなければ寄与分にならないのです。善意が報いられない結果に不合理さを感じられてしまうかも知れませんね。
● 寄与が無償であること
 相続人に特別な貢献があったとしてもその対価や報酬が支払われていれば、”貢献に対する精算が行われていた”と考えられるので、寄与分は認められません。仮に、相続人の貢献度に比べて明らかに対価が過少と判断できるような場合なら、寄与分が認められる可能性はあります。

世話になった相続人の寄与分を何とかしたいが?

◆ 寄与分の主張は報われないケースがほとんど!
 寄与分は、相続人間の協議では多くのケースで合意ができず、認められません。特に、療養看(介)護や扶養など金銭以外の貢献では寄与分を客観的に見積もることが難しく、寄与した相続人とそうでない相続人では温度差もあって話し合いがまとまらない傾向があります。
 また家庭裁判所の審判でも、法的に厳格に判断されるため、親を介護してきた相続人が報われない結果となるケースが圧倒的に多いのが現実です。

◆ トラブル回避には遺言が有効!
 相続人の寄与分に報いるなら、生前の遺言書の作成が有効です。寄与した相続人(やその妻)がより多くの財産を取得できるような内容の遺言書を作成し、その理由などを付言として遺しておけば相続人間のトラブル回避にも役立ちます。

 遺言も遺さず、親の介護への貢献(=寄与分)を巡ってトラブルになるケースは増えています。介護をした相続人が寄与分を主張しても、他の相続人が認めず、相続人同士で解決できなければ「調停⇒審判⇒裁判」と長い期間をかけてコストと労力を消耗することに。互いに実情がわからない中で感情的にヒートアップしてしまうと話し合いになりませんので、「寄与分」についての協議には第三者の遺産分割・遺産相続トラブルに強い専門家(弁護士や税理士など)を交えて、互いに配慮し、妥協点を探っていく方法が望ましいのではないでしょうか。

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