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相続&贈与

収入にも、相続税でも悪影響をもたらす空室問題!

2018年2月21日

 相続税対策として、土地の有効活用でアパートなどの賃貸物件を建てることはよくみられます。同時にアパート建設から得られるはずの家賃は、空室の増加が収入の減少に直結します。ましてや、借入金での建築なら資金繰りの悪化で苦しみかねないことに。
 今号では、こんな問題に加えて空室が相続税対策につながらず、デメリットになってしまうリスクとその対応策についてご案内しましょう。

アパートなど賃貸物件の敷地の評価は?

 相続税法では、賃貸建物の敷地は”貸家建付地(かしやたてつけち)”と呼ばれ、つぎのように更地評価額を「借地権割合や借家権割合」に応じて減額できる仕組みになっています。
 貸家建付地の評価額=自用地(更地)評価×(1-(借地権割合×借家権割合×賃貸割合))

◆ 都市部ではざっと2割の評価減メリットに!
 国税庁の定める路線価では、都市部では借地権割合が60~70%、借家権割合は30%の地域が多く、空室がないケース(賃貸割合100%)では”18~21%”評価を引き下げられ、賃貸建物建設での土地有効活用は相続税対策としてそれなりに有効といえるわけです。

◆ 空室は評価減はできず、ご注意を!
 上記の”賃貸割合”の計算式をご覧ください。相続開始時(亡くなった日)にアパートなどに空室があれば、空室部分の評価引き下げはできず、実際の貸付け割合に応じて評価減する計算となります。一戸建てでの賃貸で空家になってしまうと、評価減はとれないことに!

◆ 空室があると、小規模宅地の評価減特例もメリットが減ることに!
 アパートなどの敷地は、貸付事業用宅地として200㎡までは小規模宅地として50%の評価減がとれますが、空室となれば”貸していない扱い”となってしまい、そのメリットはとれません。

 これら空室になった2つのケースについて、デメリットを検討してみましょう。
≪設定条件≫
・1㎡あたりの評価額:50万円     ・貸家の土地(敷地):200㎡
・上記土地の評価額 :1億円(50万円×200㎡)
・借 地 権 割 合 :   60% / 借家権割合: 30%
・賃 貸 割 合:  80%(10室中8室賃貸(20㎡/室))
≪検討結果≫
 ● 空室部分の貸家建付地評価のデメリット
  2つの空室(20%相当)部分は貸家建付地評価とならず、結果的に360万円の評価アップに。
 ● 空室部分の小規模宅地の評価減特例のデメリット
  同様に、2つの空室は賃貸物件でない取り扱いとなり、デメリットは1,180万円の評価アップに。

空室についての取り得る対策

 厳しくなる一方の取り扱いへの対応策を検討してみましょう。
◆ 「一時的な」空室ならOK!
 長期間賃貸し続けていても”たまたま相続時に空室のケース”まで厳密に取り扱われてはあまりにもお気の毒!そこで国税当局でも、つぎのように「一時的な空室」では引き続き貸付けているとして見てくれるようです。
 「一時的な空室」であれば”貸付け物件”として取り扱ってよいとされ、一時的であるかの判断は、国税当局はつぎのような事実から総合的に行うとしています。

 ● 相続前から継続的に賃貸していたか
 ● 空室になった後、すぐに募集を行っているか
 ● 空室期間が1ヵ月程度か
 ● 相続後の賃貸が一時的なものでないか

◆ 空室が1ヵ月で埋まれば苦労しない!?
 いま時、1ヵ月で入居者が決まる賃貸物件などなかなかありません。国税不服審判所の裁決をみても1年程度埋まらなくても「一時的な」ものと判断するケースもあるうえ、実務上、この程度なら指摘されることはないでしょう。
 とはいえ、貸付けを前提とした物件の補修や継続的な募集努力などは当然で、その状況証拠も残しておくことがポイントになります。 

◆ 一括借り上げも対策の一つ!
 空きが出やすい物件はサブリース会社などへの一括して借り上げの形をとるのもよいでしょう。全室サブリース会社へ賃貸しているので空室問題は生じませんし、利回りやキャッシュフローを考えて納得のいくものでしたら対策として有効です。
 またサブリース会社ではなく、自分がオーナーの不動産管理会社などの利用も一法です。これら一括借り上げにあたっては異なる視点で留意すべき問題がありますので、税理士などの専門家に相談されることをお勧めします。

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