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相続&贈与

知っておこう”遺贈放棄”!?

2018年12月5日

 相続の際、プラスの財産(預貯金や不動産など)より借入金などのマイナスの財産が多いケースで利用される手続きが”相続放棄”です。感動相続!の相続放棄についての記事はココをクリック
 一方、同じ放棄でも「遺贈放棄」は知られていません。今号では「遺贈放棄」をご案内しましょう。

まずは”遺贈”ってなに?

 「遺贈放棄」の前に、まずは”遺贈”についてご紹介しましょう。
 ”遺贈”は、遺言で財産(全部か一部)を贈与することをいいます。遺言者が行う贈与であり、遺贈で財産をもらう人からの事前承諾は必要ありません。この遺贈は相続人ばかりでなく他人にもでき、つぎのように2つのタイプがあります。
● ”包括遺贈”とその注意点
”包括遺贈”は、「Aさんに全財産を贈与する」や「Bさんに財産の2分の1を与える」など、遺言者の全財産や一定割合を示して行う遺贈をいいます。
 注意すべき点は、”包括遺贈”では相続人と同一の権利義務が発生してしまうため、遺贈割合で借入金などのマイナスの財産まで相続することになります。
● ”特定遺贈”とその特徴
 ”特定遺贈”は、「Cさんに東京都港区〇〇の土地を遺贈する」や「DさんにX銀行○○支店の普通預金を遺贈する」など、財産を特定して遺贈することをいいます。
 ”特定遺贈”では、包括遺贈とは違い、遺言で遺贈されていない借入金などのマイナスの財産を相続しないのが特徴です。

では”遺贈放棄”とその方法は?

 遺贈には既述のように2つのタイプがあるため、”遺贈放棄”もつぎのようにそれぞれ異なります。
● ”包括遺贈の放棄”の方法
 ”包括遺贈”では相続人同様にマイナスの財産も引き継がざるを得ませんので、放棄も相続放棄同様に、「遺贈(相続)があった事実を知った日から3ヵ月以内に家庭裁判所に申し立て(申述)を行う」ことになります。
 プラスの財産だけに目がいって放棄手続きをしないと、あとで借入金がプラスの財産より多い事実などがわかっても放棄手続きができない可能性が。
● ”特定遺贈の放棄”の方法
 ”特定遺贈”では、一般的にはプラスの財産を遺贈するため、”包括遺贈の放棄”のような面倒な申述手続きは入りません。具体的な”特定遺贈の放棄”の方法は、遺贈義務者(注)に、内容証明郵便などで放棄の意思表示をするだけで済みます。
 また、放棄について期間制限はありません。とはいえ意思表示をしないと、遺贈義務者などから催告(遺贈を受けるか、放棄するか)を受けることもあり、催告に対する意思表示をしなければ特定遺贈を承認したとみなされてしまうことに。
(注)遺贈義務者:原則は相続人で、遺言執行者が選定されているケースでは遺言執行者などをいう。

”いいとこ取り”はできない!?

 ”遺贈”や”相続放棄”を使って、マイナスの財産を引き継がずにプラスの財産だけ引き継げそうですが、こうした”いいとこ取り”はできるのでしょうか。でも、(マイナスの財産の)債権者は納得いきませんね。果たして可能なのでしょうか検討してみました。
● 信義則違反リスク!
 民法第1条第2項の”信義誠実の原則(=信義則)”により、「社会生活を営む上で、権利行使や義務の履行を行うには相互の信頼を裏切ることなく誠実な行動が求められる」とされています。これに照らせば、個別の”相続放棄手続き”などを利用した”いいとこ取り”は「信義則」に反する行為と判断されるリスクが高くなるものとみられます。過去には、類似ケースについて最高裁が”信義則違反”の判断を下しています。
● 詐害(さがい)行為リスク!
 聞き慣れない”詐害行為”は、「被相続人や相続人(債務者)が不利益を与えることを知りながら債権者を害する行為」をいい、民法では債権者が一定の要件の下に、債務者の詐害行為を取り消す権利を有するとされています。
 ”いいとこ取り”は、この”詐害行為”とされるリスクが極めて高いととされますので、美味しい話には気を付けましょう。

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