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相続&贈与

駆け込み贈与にはご注意を!~生前贈与は計画的に~

2021年1月6日

 誰でもできる相続対策の代表が「生前贈与」の活用で、「生前に家族に財産を分配(贈与)などして、相続財産を少なくしておく」というものです。「生前贈与」はその手軽さゆえに”相続前の駆け込み贈与”も多いので、今号では留意すべき点をご紹介しましょう。

要注意!相続開始前3年以内の贈与

 「生前贈与」でも非課税枠(暦年贈与:年110万円)を超えて贈与すれば贈与税がかかるものの、贈与方法の工夫次第で相続時の相続税負担を少なくできます。こうした意図的な「生前贈与」を野放しにしておくと相続税の回避対策が蔓延し、対策をした人だけがトクをするような不公正な結果を防ぐ狙いで「相続開始前3年以内の贈与は、贈与税を納付済みでも相続財産に取り込んで相続税を計算する(相続税法第19条)」仕組みが取り入れられています。
◆ 3年以内の贈与財産で、加算するものとしないもの

● 「相続開始前3年以内」って、なに?
 相続開始日(亡くなった日)から遡って3年前の日までの間を指しています。
 具体的には、”相続開始日が2020年12月1日”ならその3年前は2017年12月1日で、「2017年12月1日から2020年12月1日までの贈与」が対象になります。
● 加算する贈与財産
 相続財産に加える贈与財産は、被相続人(例:親)から相続人(例:子)が”相続開始前3年以内に贈与を受けた財産”となります。仮に、贈与税の基礎控除額以下の贈与で贈与税がかからないときでも、3年以内の贈与のため、相続財産に加えて相続税を計算しなければなりません。
● 加算しなくてもよい贈与財産もある!?
 特別に非課税扱いされている生前贈与では、相続開始前3年以内の贈与でも”非課税枠の範囲内の贈与”であれば、相続財産に加える必要はありません。
・贈与税の配偶者控除 ・住宅取得資金の贈与 ・教育資金の贈与(注1) ・結婚子育て資金の贈与(注2)
(注1)2019(平成31)年3月31日までの教育資金の贈与なら、相続時に残高があっても相続財産に含める必要はありません。それ以後は、受贈者が23歳未満などの場合を除き、贈与資金残は相続財産に含めて計算しなければなりません。
(注2)相続時に残っている結婚子育て資金の贈与額は、相続財産に含めて計算します。

◆ 加算する金額と加算の対象者
● 加算額はどう計算する?
 相続財産に加算する贈与財産は、「贈与時の評価額」で計算して加算します。相続時の評価額ではなく、3年以内の贈与の時の評価額がポイントになります。
● 加算される対象者はだれ?
 相続開始前3年以内の贈与財産を相続財産に取り込む必要のある方は、被相続人から”相続”か”遺贈”で財産を引き継いだ方(例:子)に限られます。つまり、相続や遺贈で財産を引き継がなかった被相続人の孫は、相続開始前3年以内に生前贈与をしてもらっても加算する必要はありません。

”相続時精算課税制度”と納めた贈与税の取扱いは?

◆ 3年縛りは関係ない”相続時精算課税制度”!?
 すでに”相続時精算課税制度(注)”を選択している場合は、相続開始前3年以内に限らず、この制度を選択した以後に贈与したすべての財産を相続財産に加えて相続税の計算をしなければなりませんので、ご注意ください。
(注) ”相続時精算課税制度”は、詳しくは下記記事をご参照ください
 ⇒【相続時精算課税その1】【相続時精算課税その2】
◆ 過去に納めた贈与税はどうなる?
● 暦年贈与のケース
 3年縛りで相続財産に加算された贈与財産で「過去に納付済みの贈与税」があれば、加算後の相続財産の相続税から納付済み贈与税を控除できます。このため、加算後の相続税が過去の贈与税よりも少なければ、加算した贈与財産分の相続税はゼロになります。逆に、控除しきれずに納めすぎとなった贈与税は切り捨てられることに。残念ですが、控除しきれなかった贈与税が還付されることはありません。
● 相続時精算課税を選択しているケース

 暦年贈与のケースと同様、相続時精算課税を選択したあとの贈与財産を相続財産に加えて相続税を再計算し、過去に納付済みの贈与税を相続税額から控除します。なお、再計算した相続税が納付済みの贈与税よりも少なければ相続税はゼロとなり、控除しきれなかった贈与税は暦年贈与のケースと違って還付されます。

 相続対策の効果を大きく上げるには「生前に、家族にできる限り財産を分配(贈与など)する」のが基本ですが、分配の時期や方法によっては効果的な節税対策とならないことがあります。
遺される家族のために確実に相続税負担を抑えたい場合は、税理士などの専門家のアドバイスを受けて、計画的に相続対策を進められるよう、おススメします。

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