感動相続

文字サイズ大中小

ニュース&トピックス

都市部農地の「生産緑地」の2022年問題って!?

2020年9月16日

 地価の高額な東京や大都市部などで多くみられ、”相続税の納税猶予”や”固定資産税の優遇”措置付きの土地=「生産緑地の2022年問題」についてご案内しましょう。土地価格が下がる要因にもなりかねない話です。

宅地の中にある「生産緑地」とは?

 生産緑地は、都市部農地の宅地化を進めるための”生産緑地法”を起源とし、1992年のこの法律の改正時にも”都市部でも農地は必要”との考えで、都市部で保全すべき農地として「生産緑地」があります。
 生産緑地は、★面積:500㎡以上、★対象地:都市部の指定地域内の農地 なら、指定を受けられます。
◆ 相続税も固定資産税も大きく優遇されている!
 生産緑地はつぎの2つの制度で、一般の宅地に比べて大きく優遇されています。
● 相続税の納税猶予制度
 相続で生産緑地を引継いで農業をしていれば、”相続農地について一定の相続税額が猶予”されたうえ、その相続人の死亡時には”猶予相続税が免除”されるという特典があります。
 納税猶予といっても、「相続税免除」の結果になっており、宅地所有者と比べ、不公平な制度に。
● 固定資産税の優遇制度
 固定資産税の税率が一般宅地の数百分の1に軽減されます。つまり、毎年の税負担はほぼゼロに。

◆ 生産緑地は農地以外に使えない!
 生産緑地の趣旨や恩典から農地以外への転用や転売はできず、地方自治体の農業委員会への買取りの申し出も、つぎのケースを除いてはできないとされています。
 ● 生産緑地の指定後30年を経過したとき
 ● 土地所有者が病気で農業の継続が困難なとき
 ● 土地所有者の死亡で相続した者が農業に従事しないとき

生産緑地の2022年問題って?

 前回改正の30年後の2022年には、一斉に地方自治体に買取りの申し出がでて混乱が生じかねないことから「生産緑地の2022年問題」として話題に上り始めています。現時点では、申し出があっても買い取る余力はなく、農業後継者が不在なら、多くは生産緑地の指定解除で不動産市場に出回るといわれています。
 では生産緑地の指定解除について、地主と不動産市場に与える影響から考えてみましょう、
● 地主への影響:税負担の急増!
 生産緑地の指定解除は地主にはメリットが多そうですが、★毎年の固定資産税の優遇措置が受けられず、宅地並みの固定資産税がかかってきます。さらに、買取りの申し出の受理時点で「相続税猶予額と利子税(猶予期間の利子)の支払い」も生じるため、金銭的にかなり追い込まれるリスクにつながります。
● 不動産市場への影響:地価急落の可能性!
 生産緑地は意外に多く、国土交通省の「都市計画現況調査2019年版」によれば、生産緑地は全国で1万2,496ヘクタール(東京ドーム約2,658個分)とかなりの広さに。
 固定資産税負担や相続税猶予額支払で、土地売却か、賃貸住宅の建設などでの税負担対策が加速して、不動産、特に住宅用の土地建物の供給過多で、地価や賃料の下落要因になると想定されます。つまり、あなたの所有地の時価も下落しかねないことに。

生産緑地の2022年問題への選択肢

 対応策としては、つぎのようなものがあげられます。
◆ そのまま農業を続ける!
● 生産緑地の指定を解除しないケース 
 生産緑地のまま農業を営み続ける選択肢です。
30年経過後はいつでも買取の申し出ができるものの、固定資産税の優遇措置はなくなり、段階的に、宅地並みの税負担が生じます。また、相続税の納税猶予を受けている場合は、現世代の納税のみ猶予され、つぎの世代には納税猶予はありません。
● 「特定生産緑地」の指定を受けるケース
 2019年改正で「特定生産緑地制度」が定められました。自治体から「特定生産緑地指定」を受けると、10年間、 固定資産税は今まで通りの優遇を受けられます。
 また、相続税の納税猶予も後継者が農業を継続すれば、納税猶予を受けられます。なお、10年経過直前に、その後10年延長するかどうかを選択できます。ただ、指定には「農地としての保全が良好な都市環境に有効であるもの」との条件付きのため、要注意です。
◆ 指定解除後の土地売却は!
 売却するなら、測量や境界確定などの事前準備がポイントです。生産緑地の指定解除後、すぐに売却できるようにしておくことです。売却に手間取れば、それだけ負担増や地価下落リスクが高まるためです。
◆ 収益物件の敷地として活用は!
 解除後も所有し続けるなら、納税猶予分の相続税等の納税資金を用意しなければなりません。早い時期に賃貸物件の建設や他の活用方法を検討されて、土地を活かす工夫が欠かせません。

 生産緑地の所有者は、今から”2022年を境にどのような土地活用がベストか”を考えておきましょう。また、マイホームなど不動産の所有者にも大きな影響が生じかねません。指定解除後の土地が不動産市場で売買されれば、コロナ禍で不動産価格の下落が見え始めているところに拍車をかけかねません。
 不動産所有者や購入検討中の方も、生産緑地問題には注目しておいた方が良さそうです。

お問い合わせは
「英和コンサルティング株式会社/英和税理士法人」まで
無料相談受付中 相続のことならお任せ 03-3491-3811(代) 営業時間/9:00~17:30 定休日/土、日、祝日
メールフォームでのお問い合わせホームページはこちら
おすすめ記事
よく読まれている記事
PAGE TOP