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”富裕層”に厳しい監視の目が!~富裕層への調査結果~

2020年12月16日

 国税庁公表の「富裕層への調査結果(2019事務年度)」によれば、★不動産・有価証券等の大口所有者や、★経常的所得が特に高額な個人などを「富裕層」に分類し、資産運用の多様化・国際化の進展を念頭に、税務調査を積極的に実施しています。さて、その結果は?
(注)12月22日付で、最新公表の富裕層データに更新しています。

富裕層の申告もれは過去最高に!

 統計開始の2009事務年度以降では、”申告もれ金額”と”追徴税額”は過去最高のもようで、富裕層への税務当局の本気度が見てとれます。
●「富裕層」ってどんな人?
 富裕層の定義は曖昧で、国内では資産1億円以上を保有する人を「富裕層」と呼ぶことが多いようです。
 野村総合研究所(NRI)の富裕層に関するレポートによれば、純金融資産の保有額別につぎのように分類し、うち上位2分類を「富裕層」にランク付けしています。

★ 超富裕層(保有資産5億円以上)    :   8.7万世帯
★ 富 裕 層 (同1億円以上5億円未満)  : 124.0万世帯
★ 準富裕層(同5,000万円以上1億円未満): 341.8万世帯
★ アッパーマス層(同3,000万円以上5,000万円未満):712.1万世帯
★ マ ス 層 (同3,000万円未満)     : 4,215.7万世帯
(注)出典:NRIの2020年12月の「NRI富裕層アンケート調査」
   (最新調査結果発表のため、情報を最新版に更新済み)
 やはりどこにもランク付けはあるのですね。
● 富裕層の申告もれ金額は789億円!

 富裕層への調査件数はコロナ禍の影響で年間5千件割れの4,463件でしたが、申告もれ金額は過去最高の2018事務年度の763億円を上回り、789億円と過去最高となりました。
 特筆すべきは”1件あたりの申告もれ金額”と”追徴税額”で、”申告もれ金額”は1,767万円と調査全体平均(1,190万円)の約1.5倍に、追徴税額(581万円)に至っては全体平均(222万円)の2.6倍強にも上っています。特に、海外投資などを行う富裕層は申告もれが4,393万円(全体平均の3.7倍)で、追徴税額(1,571万円)は同約7倍もの結果に。

富裕層調査が活発化した背景!?

 国税庁は2014年から主要国税局(東京・大阪・名古屋)に「重点管理富裕層プロジェクトチーム」(富裕層PT)を新設し、現在、全国12国税局・事務所に拡大され、富裕層への監視や調査を強化してきました。
● 税務署にも特別チームが!
 2016年の「パナマ文書」などを皮切りに富裕層の過度な租税回避行為が明るみに出たことで、各国税局ばかりでなく、富裕層が多く居住する主要税務署にも富裕層の調査担当部署を設けて、その監視・調査に力を入れています。特に”海外資産を保有する富裕層”への調査を強化しているもようです。そのため、調査の全体件数はコロナ禍の影響で減少でも、こうした富裕層への調査件数は増加しており、税務当局の本気度が。
● 富裕層への包囲網も着々と!
 国税庁では富裕層の管理・監視などを目的に、2016年には●国外転出時課税制度(出国税)、●財産債務調書(3億円以上の財産などを把握)、●国外財産調書(5千万円超の国外財産の把握)など、富裕層をターゲットとした施策が法制化され、富裕層への包囲網を強めています。
 さらに、2018年には外国の金融機関等を利用した国際的な脱税及び租税回避への対応として、金融口座情報を各国税務当局間で自動的に交換する制度(CRS)が導入され、2018年には海外税務当局から約55万件、2019年には189万件の情報を入手し、その情報を活用して多額の申告もれを把握しています。
 富裕層には、ますます国税当局の厳しい監視の目が向けられそうです。

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